収益価格が完全に根付くまでには、まだ数年を要すると思われる。しかし、収益価格が当然の
こととして受け入れられる時代になれば、地価の変動はこれまでよりも激しくなる。株や債券ほ
どではないにしろ、景気の循環や需要・供給のバランスによって、価格が上がることもあれば下
がることもあるようになる。現に、収益価格が行き渡っている米国では、不動産の価格は周期的
に変動している。これからの地価の変動イメージを表すと図表9のようになる。
不動産の価格について、「良い物件では上がるが、悪い物件は下がる」との見通しを聞くこと
があるが、その意味からすれば全くの間違いである。これからの時代は、優良な不動産の価格で
も、上がるときもある代わりに、下がるときは下がるのだ。ただし、悪い物件と比べれば、その
下がり方が少ないというのが、適切な表現である。米国のニューヨーク・マンハッタン中心部に
ある物件でも大きく値を下げることがあるのが、この事実を端的に物語っている。もっとも、良
質な不動産とそうでないものとで格差が広がるというのは、事実であろう